まず知っておくべきことは経済的に強固な協力関係にあると言うことだと思う。
2015年1月に発行した日豪EPAでは貿易にかかる関税を段階的に撤廃することが定められた。また貿易だけでなく知的財産、投資に関する事柄も共通して定められており、包括的なルールを定めた協定となっている。EPA の締結による経済効果は約6500億円と試算されている。
<どんな貿易をしている?>
―輸出
日本からの輸出品では電気製品、自動車、工業製品が主である。1500cc~3000ccの所謂主力自動車は既に関税が撤廃されており、その他ディーゼル車やトラックと言った商業車についても2018年ごろをめどに関税の撤廃が決まっている。自動車は日本がオーストラリアに輸出する品の半分以上を占めていることもあり400億円以上の関税負担が減るという資産もある。
―輸入
オースおラリアからの主な輸入品と関税に関する取り決めは以下のようになっている。鉱工業製品、エネルギー資源に関しては10年ほどかけて関税が撤廃される。米を除く農産物、水産物、牛肉、ワインやチーズなど食品物など段階的に減税。飼料用の農産物は民間委託により無税化という流れになっている。日本政府はセーフティガードを設けて自国の農業を守るルールを設置している。
<メリットは?>
EPAにより日本国内では安価で高品質な食品が手に入るほか、人材交流も盛んになると言う見通しや日本企業のオーストラリア参入がしやすくなると言う利点がある。
一方懸念される農業への影響は完全撤廃時、損失総額で約1兆3700億円と試算され、業界に大打撃を与える(約8万8千人の失業者を生むとの予想)と言われている。
しかしながらセーフティガードの設置により物の流れを制御するため実質的な損失については限定的との見方もあるようだ。
個人的にはオーストラリアの農業製品は非常に質がよくおいしいと思う。
特に乳製品に関しては味がしっかりとしてうまみがある。また特にこのメルボルン地方ではワイン農家が多くありシラーズと言う品種の中重口の赤ワインが世界的にも有名。珍しい赤のスパークリングワインも生産されている。
全て良いことばかりではないが経済的に強いパートナーシップを持っていて、今後人的交流の活発化やオーストラリアに進出する日本企業も増えてくるのではないだろうか。